睡眠中に起こる異常行動などを睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう)、英語名でいうとパラソムニアといいます。
具体的な睡眠時随伴症と言えば、夢遊病(夢中遊行症)などが有名なところですね。
ですが、この睡眠時随伴症には、夢遊病以外にもいろいろな種類があります。
睡眠時隋伴症には2種類ある?
冒頭でも言ってる通り、一般的に睡眠時随伴症とひとくくりにされますが、大きく分けて2種類の睡眠時隋伴症に分かれます。
- ノンレム睡眠時に起こる睡眠時随伴症
- レム睡眠時に起こる睡眠時随伴症
この2つの睡眠時随伴症は、レム睡眠、ノンレム睡眠と睡眠状態が異なるので、はたから見ると症状の一つみても違いが見えてきません。
ノンレム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症
まずノンレム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症は様々な症状があり、特に深いノンレム睡眠時に多くみられる症状です。
このノンレム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症の大きな特徴は、深い睡眠時に起こるため、目覚めたときに本人が覚えていないことが挙げられます。
ノンレム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症の種類と症状
夢遊病(夢中遊行症) | 睡眠中に起き上がり歩き回ったりする。外に出ることもある |
---|---|
錯乱覚醒 | 意識がはっきりせずに目も覚めずボーっとして起きている状態 |
夜尿症 | 寝ぼけてトイレでない場所で尿をする※おねしょも夜尿症の一種です。 |
夜驚症 | 寝ぼけて大きな叫び声などをあげる、汗をかいている場合が多い |
睡眠関連摂食障害 | 眠りながら食べ物を探して動き回り食べ始める、さらに料理をし出すなどの例もある |
このノンレム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症の多くは(主に夢遊病・錯乱覚醒・夜尿症・夜驚症)、一般的には3~10歳までの子供に多くみられる症状で、成長するにつれて自然と治っていきます(原因は脳の神経の未発達によるものといわれています)。
ですので、子供がこういった睡眠時隋伴症の症状を見せても、積極的に治療をする必要はないと言われています。
ですが、大人になっても治らなかったり、また大人になってからなることもあります。
レム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症
そして最後に、レム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症はそのままレム睡眠行動障害と言われます。
ノンレム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症(子供が発症する)とは反対に、60歳以上の男性に起こる傾向が多いのがレム睡眠行動障害※です。
※レム睡眠は筋肉が緩み体は動けない状態なのですが、この筋肉が動き出してしまいレム睡眠中に見ている夢を睡眠中に行動に移してしまうのがレム睡眠行動障害です
レム睡眠行動障害は夢遊病と似ている?
ただこのレム睡眠行動障害は夢遊病と同じように睡眠中にもかかわらず起きて歩きだしたりして似ているわけですが、それぞれの睡眠の状態が異なります。
夢遊病…寝ぼけて歩き出す(ノンレム睡眠→覚醒状態に急速に変化する)
レム睡眠行動障害…夢を見ていてそれを行動に移す(レム睡眠の状態のまま)
具体的な大きな違いは、レム睡眠行動障害が非常に暴力的な行動をとることが多いです。
レム睡眠はノンレム睡眠よりも脳が活発に動くため悪夢などが見やすく、その悪夢がレム睡眠行動障害に陥ったときには、暴力的な異常行動に出てしまいます。
ノンレム睡眠でも夢を見ることがありますが、比較的おぼろげな夢が多くレム睡眠時の夢と比べるとどういった夢かはっきり覚えていません。
まとめ
- 睡眠時隋伴症はノンレム睡眠時に起こるものとレム睡眠時に起こるものと2つある
- ノンレム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症は子供によくあらわれる
- レム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症は中高年などのお年寄りの男性によくみられる
ちなみにパラソムニアのソムニアは睡眠、パラは”平行”や”狂気”※という意味がギリシア語であります。
※厳密に言うとギリシア語のparanoos ”狂気”
一般的には睡眠と並行して異常行動をするという意味で”並行”という意味がパラでは用いられますが、レム睡眠行動障害の暴力的な行動を照らし合わせれば”狂気”という意味でも十分語源としては通用しますね。