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高齢者の睡眠薬服用の注意点とは?生じやすい副作用あり?

高齢者の不眠症や睡眠障害には睡眠薬を服用することで、高い治療効果があることが分かっています。

ですが、高齢者の睡眠薬服用には高齢者特有の副作用があり、気を付けなければなりません。

そしてそれぞれの睡眠薬によっては副作用が異なるので、その副作用を十分理解したうえで高齢者の方が睡眠薬を服用する必要があります。

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高齢者の睡眠薬服用の注意点とは?生じやすいが副作用あり?

まず高齢者が睡眠薬を服用することで、大きく分けると2つ注意点があります。

薬が効き過ぎたり、副作用が出やすくなることです。

※こういった原因については「高齢者の睡眠薬が副作用が出やすい訳とは?体内脂肪が増えるから?」で後述しています。

高齢者の睡眠薬服用は成人よりも効きやすい?

まず高齢者が睡眠薬を服用すると、成人よりも薬物代謝が遅くなるため、持続時間が長くなるため効果が長く続きやすくなります。

成人の持続時間(消失半減期) 高齢者の持続時間
超短時間型 2~6時間 6~9時間
短時間型 6~12時間 9~18時間

成人と高齢者での睡眠薬の持続効果は、1.5倍ほど違いがあります。

その為、眠れたとしても体の中にまだ薬が残っていることが多く、起床していても副作用として後述する持ち越し効果が出やすくなります。

高齢者の睡眠薬服用により生じやすい副作用

そしてこういった持ち越し効果のような副作用も含め、以下のような筋弛緩や記憶障害、奇異反応が高齢者の睡眠薬の服用で出やすくなります。

  • 持ち越し効果…睡眠薬の効果が翌朝以降に持ち越される副作用で、日中の眠気、ふらつき、めまい頭重感(頭痛)倦怠感、脱力感、呂律が回らない等といった症状が出る。
  • 筋弛緩作用…就寝中の呼吸筋が活動低下するため、起床時にふらついたり、転倒することがある。
  • 記憶障害…睡眠薬服用後から寝つくまでの間の出来事や、夜中に目覚めたときの出来事を忘れる(前向性健忘)。
  • 奇異反応…睡眠薬の本来の効果とは逆で、興奮したり攻撃的になったり錯乱状態になったりする。過食やせん妄なども副作用として出現。非常に稀な副作用。

とりわけ、筋弛緩作用によるふらつき等での転倒による怪我や骨折などが高齢者の睡眠薬の副作用としては代表的なものです。

さらにもう少し厳密に言えば、処方される睡眠薬の系統でさらに副作用は以下のように分けられます。

睡眠薬の種類 副作用の症状 主な睡眠薬
ベンゾジアゼピン系 奇異反応や筋弛緩によるふらつき記憶障害 ハルシオン等
非ベンゾジアゼピン系 睡眠リズムの乱れ(概日リズム睡眠障害など) マイスリー等
メラトニン受容体作動拮抗薬 ふらつき※ ロゼレム

※特にメラトニン受容体作動拮抗薬の副作用によるふらつきは、筋弛緩によるものではなく、小脳失調(脳の運動指令の不具合)による副作用です。

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高齢者の睡眠薬が副作用が出やすい訳とは?体内脂肪が増えるから?

そして、こういった効き過ぎや副作用が高齢者に出やすい原因としては、成人と比べて高齢者は加齢による薬の分解や体の働きが弱まり、体の中に蓄積されやすくなるからです。

特に先程も触れたベンゾジアゼピン系やバルビツール系(※1)の睡眠薬は脂溶性薬物(脂に溶けやすい薬物)なので、高齢者の体内に蓄積されやすくなります(※2)。

  • (※1)現在、不眠症や睡眠障害でバルビツール系の睡眠薬は処方されることはありません。
  • (※2)高齢者は20代と比べると、水分量が約17~25%、筋肉量が約25%低下。体内脂肪が約35%多くなる。

そして、この睡眠薬が体内に蓄積されることで排泄機能も低下することも分かっており、さらに睡眠薬が体の中に蓄積されやすくなるわけです。

その為、比較的副作用が少なく半減期が短い(排泄や代謝が早い)、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が高齢者では処方されることが多いです。

副作用を考慮されて処方された睡眠薬では高齢者の不眠は治りにくい?

ですが、こういった半減期が短い睡眠薬は副作用のリスクが少ない分、高齢者の睡眠薬として処方はされるわけですが、高齢者の不眠症の症状の多くは中途覚醒早朝覚醒といった睡眠の後半の症状がほとんどです。

なので、副作用のことを考慮されて処方される非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は超短時間作用型の睡眠薬なので、高齢者の不眠症は治りきらないということもよくあります(もちろん、入眠障害等の軽度な不眠症であれば改善しやすいです)。

睡眠薬の種類-効果(作用時間)別の一覧表あり

睡眠薬の半減期(消失半減期)のついては、↑の記事でそれぞれの睡眠薬の種類別に記載しています。

高齢者と成人では睡眠薬の服用量が違う?

ちなみに1度の服用量(制限用量)も副作用を考慮して、成人と高齢者とでは違います。

商品名 一般名 制限用量(成人,高齢者 ※単位mg)
ベルソムラ スボレキサント 20mg,15mg
ルネスタ エスゾピクロン 3mg,2mg
ハルシオン トリアゾラム 0.5mg,0.25mg
デパス エチゾラム 3mg,1.5mg
ロヒプノール、サイレース フルニトラゼパム 2mg,1mg

また初めに処方される量(初回開始使用量)も高齢者では、マイスリーなら5mg、アモバンなら3.75mg、ルネスタなら1mgというように高齢者の睡眠薬服用には設定されています。

まとめ

  • 高齢者の睡眠薬の服用には副作用以外にも効き過ぎるというのがある
  • 高齢者の睡眠薬が体内に蓄積されやすいのは体内脂肪が3割以上増えるから
  • 高齢者の睡眠薬の処方には副作用を考慮して持続時間が短い睡眠薬が処方されるが、高齢者の不眠の症状は中途覚醒など眠りの後半の症状が多いため、服用しても治りにくい

特に高齢者の睡眠薬の服用による副作用では、記憶障害(前向性健忘)は認知症として間違われることが多く、こういったことから睡眠薬を服用する=認知症になるという間違った情報が拡散されているわけですね…

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