睡眠障害は睡眠異常ともいい、様々な種類があります。
一般的には不眠症が睡眠障害の中でも最もポピュラーな病気ですが、その他にも色々な症状に分けられます。
また仕事で出張が多い方、旅行好きな方(特に海外旅行)のあの症状も睡眠障害の一種だったりします。
不眠症系の睡眠障害とは?
まず初めに冒頭でも言っている通り、睡眠障害の中でも一番ポピュラーなのが不眠症系の睡眠障害です。
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ただ不眠症とは言っても、大きく分けて4種類に分類されます。
- 入眠障害
- 中途覚醒
- 早朝覚醒
- 熟眠障害
入眠障害(にゅうみんしょうがい)
まずは入眠障害です。入眠障害の特徴としては、夜布団やベッドに入って寝るまでに30分~1時間以上かかる状態のことを言います。
不眠症と言われる症状で一番多いのがこの入眠障害です。
中途覚醒(ちゅうとかくせい)
そして2つ目が中途覚醒です。
中途覚醒の特徴としては、一晩に2回以上覚醒(目覚めて)して、その後寝つけない状態をさします。
早朝覚醒(そうちょうかくせい)
3つ目が早朝覚醒(早期覚醒ともいいます)です。
朝の目覚めが普段よりも2時間以上も早く、目覚めた後なかなか眠れないのが早朝覚醒の特徴です。
熟眠障害(じゅくみんしょうがい)
そして最後の不眠症の症状の一つが熟眠障害です。
ぐっすり眠ったという実感がなく、寝たりなさが常に残るのが熟眠障害の特徴ですね。
過眠症系の睡眠障害とは?
そして次の代表的な睡眠障害は過眠症です。
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日中に仕事や家事などの作業に、支障をきたすほどの激しい眠気に襲われたりするのが過眠症です。
過眠症も不眠症と一緒で、色々な種類があります。
- ナルコレプシー
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- 特発性・突発性の過眠症
- 反復性の過眠症
- その他の過眠症
ナルコレプシー
まず一番有名な過眠症としてよくあげられるのがナルコレプシーです。
睡眠や目覚め(覚醒)のパターンが乱れることで、我慢できないほどの強烈な眠気を感じるのがナルコレプシーの特徴です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
そして次に「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)」、通称SAS(サス)も過眠症の種類のひとつです。
正式な名前は、閉塞睡眠時無呼吸症候群(へいそくせいすいみんじむこきゅうしょうこうぐん)と言い、気道の閉塞により睡眠が妨げられた結果、睡眠不足によって起こる過眠症です。
特発性・突発性の過眠症
そしてナルコレプシーと似ていて違いが分かりにくい、特発性・突発性の過眠症というのもあります。
特発性・突発性の過眠症はノンレム睡眠によって起こる過眠症※で、ナルコレプシーよりも比較的軽度な過眠症です。
※ナルコレプシーはレム睡眠を主体とした過眠症です。
反復性の過眠症
そして反復性の過眠症は、年に数回程度(3日~長くて2週間)、1日15~18時間程度の睡眠が必要となる過眠症です。
↑で言っている特発性・突発性の過眠症含め、反復性の過眠症も原因やメカニズムが分かっていない過眠症の一つです。
その他の過眠症
そして、↑で挙げた以外の過眠症は非常に多岐にわたります。
- 概日リズム障害による過眠
- 感染症による眠気…インフルエンザや風邪の前兆
- 薬物による眠気…風邪薬やアレルギーの薬の服用などが原因
- うつ病に伴う過眠症
分かりやすい例でいえば、うつ病は不眠症系または過眠症系のどちらかの睡眠障害のかたちであらわれることが非常に多いです。
概日リズム障害などの睡眠障害とは?
そして3つめの大きい睡眠障害が概日リズム障害です。
分かりやすく言えば、概日リズム障害は睡眠と目覚め(覚醒)のリズムが乱れる睡眠障害で、大きく分けて3種類あります。
- 睡眠相後退症候群
- 睡眠相前進症候群
- 非24時間睡眠覚醒症候群
睡眠相後退症候群(すいみんそうごたいしょうこうぐん)
まず、この睡眠相後退症候群は寝つきが非常に遅く明け方にならないと眠れずに、朝起きられないというのが特徴です。
そのため睡眠のリズムが崩れ、社会生活に支障をきたす状態のことを指します。
睡眠相前進症候群(すいみんそうぜんしんしょうこうぐん)
そして反対に、睡眠相前進症候群は眠気が非常に早い時間帯(例えば、夕方6時~8時の間など)に来るのが特徴で、夜起きておくことが出来ない状態を指します。
また、この睡眠相前進症候群は早朝覚醒のひとつで、夜中に目が覚めてしまい日中の仕事や家事に支障をきたすような状態であれば非常に問題です。
非24時間睡眠覚醒症候群(ひにじゅうよじかんすいみんかくせいしょうこうぐん)
そして非24時間睡眠覚醒症候群は少しずつ体内時計が狂い、昼夜逆転→夜更かし→寝坊などを定期的に繰り返す症状のことを指します。
実は大まかに言えば、時差ボケもこの概日リズム障害の軽い症状のひとつと言えます。
睡眠時隋伴症などの睡眠障害とは?
そして最後に紹介する、睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう)は大きな特徴は睡眠中に異常な行動を伴う睡眠障害です。
大きく分けると、ノンレム睡眠・レム睡眠と2種類に睡眠時随伴症の分類ができます。
- ノンレム睡眠時に起こる睡眠時隋伴
- レム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症
ノンレム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症
まずノンレム睡眠時に起こる睡眠時随伴症は以下のような症状が挙げられます。
- 夢中遊行症
- 歯ぎしり
- 夜驚症
- 夜尿症
- 夜間摂食障害
レム睡眠時に起こる睡眠時隋伴症
そして次にレム睡眠時に起こる睡眠時随伴症です。
レム睡眠行動障害は、眠りながら大声・奇声を上げたり、暴力などをふるったり大きく体を動かすことが特徴です。
通常、レム睡眠時は体の筋肉が緩んで体が動かない状態ですが、何かの拍子で筋肉の動きを制御できなくなることでレム睡眠行動障害が起こります。
特にレム睡眠は脳は活動しているため、夢(ほとんどは悪い夢)を見ています。
なので、夢の中で起こっていること(例えば、誰かから逃げていて助けを呼んでいる等)で体が反応してしまうのです。
まとめ
- 不眠症の中では入眠障害(にゅうみんしょうがい)が一番多い
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は過眠症のひとつ
- 実は時差ボケも睡眠障害(概日リズム障害)のひとつ
もっと細かく言えば、睡眠障害の国際的な分類では約90以上に分類されています。
ですが、大まかに言えば挙げている睡眠障害の症状が一般的で、睡眠障害と関連する病気も含めるとさらに多くなります。
※各睡眠障害の特徴については追記で記事を書いていきます。