子供(小児・幼児)のむずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群or下肢静止不能症候群)は大人の症状とほとんど変わりませんが、発生する時間帯などが異なります。
また症状が子供特有の他の疾患と似ていたり、併発することもあります。
治療法でも大人のような薬物療法はまだまだ子供の発達に不明なことが多いため、最終手段で行うことが多いです。その為、主な治療法は生活習慣改善などなので、家族の協力が不可欠です。
むずむず脚症候群の子供がなる原因は7割以上が遺伝!?
まず子供のむずむず脚症候群の原因の約7割以上が遺伝で、両親のどちらか(父or母)もしくは、兄妹の誰かが発症すると家庭内発症率は高くなります。
親がむずむず脚症候群の場合の子供の発症率年齢別
親どちらかがむずむず脚症候群の場合の子供の発症率(%) | |
---|---|
8~11歳 | 71.4% |
12~17歳 | 80% |
子供のむずむず脚症候群の発症の遺伝という以外の原因は不明なことが多いのが実情です。
↑の記事でも触れていますが、鉄分が脳に不足している鉄欠乏によるむずむず脚の可能性も十分にはあるのですが、実際鉄欠乏の子供すべてに発症しているわけではありません。
むずむず脚症候群は子供の症状は大人との違いは時間帯?
また子供のむずむず脚症候群と大人とでは症状自体は基本的に変わりませんが、発生する時間帯などが少し違い、子供の場合は日中にむずむず脚の症状が出るというのが特徴です※。
※子供の場合日中の症状が出るのは、むずむず脚症候群が中程度以上の症状に見られます。
子供のむずむず脚症候群の症状
特に症状(日中や夜間の症状含め)として以下のようなものが挙げられますね。
- 夕方や夜間にじっとしていられない
- 気分が落ち込んだりすることが多い
- ムズムズの症状で気力がそがれる
- ムズムズが原因で勉強に集中できない
- 日常生活に支障がある
- 宿題を終わらせることが困難
- 学校や勉強に支障が出る
- 対人関係に支障が出る…等
引用元: 睡眠医療/レストレスレッグス症候群を巡る最近の話題
その他にも、↓の症状の記事でも触れているとおり、夕方から夜間前半にかけて大人の場合は発症する時間帯ですが、子供の場合は朝方までこのムズムズが続く場合があります。
そして大人のむずむず脚症候群の症状を訴える人の8割は、一緒に足がぴくぴく動く症状の周期性四肢運動障害(PLMD)を発症するのですが、子供の症状ではこのPLMDは併発しにくいことも分かっています。
また子供の場合、夜間のむずむず脚に関しては自覚が無く、日中の症状に関して自覚があることが多いので、むずむず脚症候群の判断が難しい場合もあります。
子供のむずむず脚症候群の症状は、他の子供特有の疾患と似ている?
ですので、この子供のむずむず脚症候群の症状の判断が難しい理由としては、他の子供の疾患と似ているということも関係しています。
- AD/HD(注意欠陥/多動性障害)
- 成長痛
特にこのむずむず脚症候群の症状には先程↑で挙げているように、じっとしていられないという症状が【AD/HD】、痛みなどの症状が【成長痛】というように症状としては似ています。
子供のむずむず脚症候群と併発しやすい症状
ただ、この【AD/HD】に関してはむずむず脚症候群と併発しやすいことが分かっており、AD/HDも含め他の精神障害の併発も確認されています。
- AD/HD
- 気分障害
- 不安障害
まだはっきりとしたことは分かっていませんが、この挙げた併発する疾患の原因が、むずむず脚症候群の原因の一つであるドーパミン系の機能障害という点では同様なため、非常にこの精神障害が相互的に関係性が深いと考えられています。
まとめ
- 子供のむずむず脚症候群の原因ははっきりと分かっていないが遺伝の割合が高い
- 子供のむずむず脚症候群の症状は大人とは時間帯が違い日中に症状が起こる
- 子供のむずむず脚症候群はAD/HD(注意欠陥/多動性障害)や精神障害と併発しやすい
また子供のむずむず脚症候群の治療に関しては、大人とは少し違い、基本的には軽度な非薬物療法から行っていきます(どちらかというと薬物療法は子供には最終手段)。
症状が中程度の場合でも、なるべくドーパミン作動薬等の薬物療法は行わずに(子供の発達にドーパミン系の薬物療法が影響を及ぼすのがまだ不明な点が多いため)、原因となりうることをひとつずつ潰していき治療をしていきます。
非薬物療法:足がムズムズする時の対策と対処(解消)法!鉄分がカギ!?
薬物療法:むずむず脚症候群の治療の薬物療法とは?完治はしない?