睡眠につく前の時間帯や夜の遅い時間帯に夕食をとるのは、睡眠の質が悪くなったり、太るなどのデメリットがあります。
実はそういったデメリットだけではなく、睡眠のリズムである体内時計が狂ってしまう恐れもあり、悪化すると睡眠障害になる確率も高まります。
もちろん、仕事の残業などで夕食がどうしても遅い時間帯なってしまったり、どうしても寝る直前でないと夕食が取れない人等は多くいるので、寝る何時間前に夕食を取るといいのかや、食べ物別に何時間前までなら睡眠に影響を与えないかなどを表などにまとめてみました。
この記事の目次
寝る前の食事は3つのデメリットあり!体内時計が狂い悪化すると睡眠障害になりやすい?
まず、冒頭でも触れていますが寝る前の食事には3つのデメリットがあります。そしてその中でも体内時計が狂いやすくなるというのが一番の問題です。
- 体内時計が狂いやすくなる
- 眠れなくなったり・睡眠の質が悪くなる
- 太りやすくなる
体内時計が狂いやすくなる
24~25時間周期の体内時計が人間にあるのは知られていますが、実はこの体内時計は食事をとることで容易に変えることが出来てしまいます。
朝昼夕の食事関係なく食事を取ろうとすると脳が覚醒しやすくなるのですが、寝る前に食事を取ることで、体が動きだそうと体内時計が勘違いし、体内時計が狂ってしまう場合があるのです。
酷い場合には、睡眠のリズムが後ろにずれ明け方にならないと眠くならない睡眠相後退症候群等の睡眠障害になりやすくなってしまいます。
受験生への夜食はある意味では正しい?
なので少し皮肉ですが、そういう意味でいうと寝る前の食事は返って目覚める効果があるので、受験生に作る夜食などは理に適っているといえます。
ですが夜食が習慣化すると、夜食の時間に食事をとろうと体内時計が脳を覚醒させるため、食べないと眠れないという悪循環に陥ってしまいます。
眠れなくなったり・睡眠の質が悪くなる
寝る前の食事は食べ物の消化活動を体が行い興奮状態にあるため、寝つけなくなったり、眠ったとしても睡眠の質も悪くなります。
その為、一時的な不眠に陥ったり、十分寝たとしてもぐっすり寝た気がしません。
分かりやすい不眠症としては、寝つきの悪い入眠障害(入眠困難)や、睡眠の質が悪いことで夜中に何度も目覚める中途覚醒や熟眠感のない熟眠障害のような不眠症の症状があります。
太りやすくなる
そして、就寝直前に食事をとることで血糖値が上がると、ノンレム睡眠時に分泌される成長ホルモン※が分泌されにくくなり、結果太りやすくもなってしまいます。
※成長ホルモンは筋肉の生成や、代謝の調整する働きがあります。
また上昇した血糖値を下げようと大量のインスリン(インシュリン)が分泌されるのですが、このインスリンは脂肪を蓄える働きや、老化を促進させる働きがあります。
さらに人間は夜行性ではないので、極力活動できない夜にはエネルギーをため込もうとするという習性が備わっているため、寝る前の食事は非常に太りやすくなるのです。
また消化の途中で胃酸が強い状態のままで眠ってしまうため、食道炎などになってしまう危険性もあります。
寝る前の食事は何時間前までならOK?ヘビーな夕食を食べたいときにはどうすればいいのか?
それでは、眠る何時間前までに食事をとるべきなのでしょうか。大まかに言えば、就寝する3時間前までにはとっておきたいところですね。
ですが、夕食の食べ物によって消化にかかる時間は異なるので、以下に食品別で消化する時間別(胃にとどまる時間別)に並べてみました。
2時間程度 | 林檎、桃、食パン、半熟卵、大根、蕪(かぶ) |
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2時間半程度 | 白米ご飯(茶碗1杯)、牛乳(200ml)、じゃがいも、にんじん、生卵 |
3時間程度 | うどん、カボチャ、サツマイモ、鶏肉、魚(あじ、あゆ、かれい、きす)牛すき焼き、卵焼き、クッキー・ビスケット、カステラ |
3時間半程度 | たけのこ、ナッツ、茹で卵、かまぼこ、あわび、牛ステーキ |
4~5時間程度 | ベーコン、ハム、豚肉、天ぷら、うなぎ |
見ていくと肉類はかなり消化に時間がかかるので、なるべく焼肉やステーキなどガッツリした食事を夕食に取るのであれば、早い時間帯にとるのが睡眠の質を下げないためには心がけたいところです。
ヘビーな夕食を食べたいときにはどうすればいいのか?
ただどうしても眠る2時間前ぐらいに、お肉などのヘビーな食べ物を食べたい場合には、1週間の中で曜日を決めて食べることをおすすめします。特に水曜日がおすすめです。
実は、1週間の中で水曜日が一番代謝エネルギーの高い曜日と言われています。なので、どうしてもガツンした脂っこい食べ物や、肉類を食べるときは週の真ん中の水曜日を選ぶようすると、いくらか体への負担は減ります。
逆に週の中で月曜日はエネルギー代謝量が低い曜日なので、なるべく消化のいい食事をとるようにしましょう(多少、個人差はあります)。
寝る前にどうしても食事をしたい場合、どういった食べ物がいいか?
とはいえ、空腹過ぎても眠れないということもあります。※空腹眠れない理由は細かくは割愛しますが、空腹だと覚醒物質が働いてしまいます。
そういった場合に、コーンクリームなどのスープがおすすめです。味噌汁やコンソメスープなどでも問題ありませんが、なるべく油や具が少ないコーンクリームやポタージュなどが体に負担をかけません(インスタントで構いません)。
特に眠る30分~1時間前に、お腹が空いて眠れない時に試してみましょう。
それでもお腹がすく場合
それでもお腹が空き過ぎて眠れない場合は、なるべく油分の少なく消化の良さそうなお菓子であれば100kcal程度の量を食べても問題ありません。果物でもいいでしょう。
チョコレートなどはカフェインが入っているので要注意です。
またバナナやヨーグルトは寝る前に食べると、体が冷えやすくなります。一見深部体温が下がるので、寝つきが良くなりそうですが、その逆で体が冷えすぎると睡眠の質が悪くなります。
なので、体を暖める果物であれば(厳密に言うと体を冷やさない)、リンゴやぶどう、さくらんぼ、プルーン、桃などがあります。
ちなみに葡萄の巨峰200gで大よそ100kcal程度です。
まとめ
- 寝る前の食事は睡眠の質を下げ、太りやすくなり、体内時計が狂いやすくなり、睡眠のリズムが崩れる睡眠障害になりやすい
- 寝る前の食事はなるべく3時間前に取るのが理想、肉類を夕食に食べるならなるべく早い時間帯に食べる
- 寝る前にどうしても空腹ならコーンクリームなどのスープを飲むか、100kcal程度で収まる消化のいいお菓子を食べる
ちなみに英語で夕食と言うと「dinner(ディナー)」という単語を思い浮かべますが、実際のところディナーという意味は豪勢な食事という意味で、家庭によってディナーが昼食になったりすることがあります。
地域にもよりますが、イギリスなどでは夕食は基本「supper(サパー)」と言い、このサパーは「soup(スープ)」だけの食事という意味の言葉が由来です。
だからというわけではありませんが、夕食はなるべくサパーを心がけると睡眠にも良い影響を及ぼします。