寝言の原因は様々ですが、寝言の種類によって多少どういったことが原因かは分かります。
また、寝言は睡眠障害やさらに病気の前触れ(前駆症状)の症状の場合もあり注意が必要です。
睡眠時隋伴症のカテゴリーでいうと寝言は「sleep talking」や、睡眠時隋伴症の正常亜型(isolated symptoms and normal variants)という言い方もするので、睡眠障害の中の睡眠時隋伴症の仲間ともいえます。
ちなみに寝言の種類によって、どういった睡眠障害等が分かるように寝言鑑別早見表を作っているので分かりやすいと思うので、参考になればと思います。
→寝言の種類鑑別早見表 ←※クリックすると寝言鑑別早見表に移動します。
また、寝言の原因によっては一緒に寝ているベッドパートナー(旦那や彼氏、奥さんや彼女)が被害をこうむることもあるので、ベッドパートナーが寝言を言っているときにできる簡単な対処法なども紹介しています。
この記事の目次
寝言の原因はストレス?子供の寝言は脳が関係している?
まず、寝言の原因としては病気や睡眠障害等の色々な原因はありますが、病的な原因や睡眠障害等の疾患の原因を除くと、寝言の原因にはストレス性のものがあります。
- ストレスが原因の寝言
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- 普段の生活上でのストレス(仕事や学業、家庭)
- 何らかの事故や事件や災害などが原因のPTSD(心的外傷後ストレス障害)
悪夢などが伴う場合は、うなされたり、助けを求めるような叫びや悲鳴などがこの寝言の特徴。
特に寝言の原因の全般的に言えることですが、根本的なものとしては眠りが浅くなることで起こります。※ストレスが原因で眠りが浅くなる。
現に、レム睡眠の終わりや寝入りばなのノンレム睡眠後の軽睡眠中に、寝言は起こることが多いと言われているので、眠りが浅いということが非常に寝言に関係しています。
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ストレスなど関係なく寝言は誰でも言う?
ストレスが関係のない寝言ももちろんあり、こういった寝言を生理的な寝言と言います。
生理的な寝言の特徴
・小声で発する言葉も短く感情的な言葉はない
・小児・若い男性に多い(女性は少ない)
ほとんどの場合、25歳を過ぎると消失していくといわれます。もちろん個人差もあり、数年続く場合もあります。
また、大人ではこういった生理的な寝言は1%程度の人が発症すると言われていています。
子供の寝言は脳が関係している?
子供の寝言に関しては、夢遊病(夢中遊行症)の症状の一つとして、寝言の症状があらわれやすくなります。※寝言で泣き叫ぶ場合は夜驚症といいます。
大人の一般的な寝言の原因とは違い、子供の寝言(夢遊病や夜驚症も含め)の原因は脳の未発達が原因とされています。(もちろん、ストレスが原因での寝言もあります)
ちなみに男女関係なく4歳~8歳までの間が発症のピークで、子供の寝言は成長につれて自然になくなっていきます。
両親や兄弟が寝言をいう家系では、その子供も寝言を言う確率が高くなるため、遺伝の要素が強いとも言われています。
寝言も含め、睡眠時隋伴症(夢遊病や夜驚症や歯ぎしり等)は遺伝的な要素が強いです。
寝言の原因には睡眠障害や病気が関係している?寝言は病気の前触れ?
また、寝言の原因が病気や睡眠障害(睡眠時隋伴症以外の睡眠障害)が関係していることもあります。
そして、さらにいえば寝言はそういった病気や睡眠障害の前触れやサインだったりします。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群での呼吸が一時停止した後の、呼吸再開時のイビキや空気を吸う音が、うめき声や叫び声等が寝言に勘違いされやすい。
特に睡眠時無呼吸症候群の際の寝言は、何を言っているのか分からないのが特徴※です。
※睡眠中は口や顎の筋肉が緩んでいるので、はっきりと喋ることが出来ないため。
レム睡眠行動障害
レム睡眠行動障害での叫び声やうめき声などが、単なる寝言に間違われる場合があります。
レム睡眠行動障害は見ている夢をそのまま体を動かし行動してしまうので、寝言も夢のなかのことを話し出すということも起こります。
特にレム睡眠中に見る夢は、非現実的な内容(悪夢や変な夢だったりする)が多く、奇声を上げたり大声で寝言を言うのが特徴です。
また、パーキンソン病やレビー小体型認知症などの前触れとしてレム睡眠行動障害が起こりやすいとも言われています。
どちらかというと高齢者の方で寝言を言っている場合は、こういったレム睡眠行動障害(もしくはパーキンソン病やレビー小体型認知症の前触れの症状)を第一に疑うことが多いです。
ナルコレプシー
そして、ナルコレプシーの前触れとして寝言が起こりやすいと言われています(寝言と悪夢障害がセットでナルコレプシーの前駆症状としてでます)。
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こういった寝言などが前触れとしてあらわれだし、徐々に日中の眠気や情動脱力発作(カタプレキシー:怒ったり、笑ったりすると体の力が抜ける)、入眠時幻覚や睡眠麻痺(金縛り)などの、ナルコレプシーの主要な症状があらわれてきます。
→急に眠たくなる病気ナルコレプシーの症状とは?目覚めは良好!?
寝言の種類鑑別早見表
子供の寝言(夢遊病による寝言)についても載せています。
夢遊病による寝言 | 睡眠時無呼吸症候群 | レム睡眠行動障害 | ナルコレプシー | |
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寝言の特徴 | 叫ぶ、悲鳴 | うめき声、あえぎ声(何を言ってるか分からない) | ぶつぶつ、大声 | ぶつぶつ、悲鳴 |
感情の有無 | 強い | なし | 強い | 強い |
寝言以外の体の反応 | 発汗、脈が早くなる、呼吸が早くなる | イビキ、無呼吸 | 手足が激しく動く場合がある | 情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺 |
また、睡眠障害以外にも熱性の病気や疾患などの痛みが原因で寝言が起こる場合もあります。
例えば、高熱を出しているときや、アトピー性皮膚炎による睡眠中の寝苦しいときや、他の病気(骨折など)での体の痛みがある場合は、総じてストレスを感じ睡眠が浅くなるため、一時的に寝言を言う確率が高くなります。
寝言の治療法や治す方法や対処法について|寝言に話しかけるのはNG?
ストレス性の寝言の治療や治す方法は、ストレスの解消や少なくすることが基本的な方法です。
もちろん、寝言の元となっている睡眠障害や病気・疾患が原因の場合は、それを改善することが必要になってきます。
寝言に話しかけるのはNG?対処法はとにかく触る?
ちなみに子供の寝言以外は、寝言に返事をしたり話しかけても特に問題はありません。
特にレム睡眠行動障害で寝言を言ってる場合は、積極的に声をかけたほうがいいでしょう。というのも、レム睡眠行動障害は寝言とともに体が動かして暴れ出すと、ベッドパートナーが被害を受ける場合があるので、少し大きめの声をかけると起きるので、起こしたほうがいいでしょう。
また、睡眠時無呼吸症候群、レム睡眠行動障害、ナルコレプシーによる寝言の場合は、基本的にはレム睡眠中に起こっているので、声をかける以外にも体に触れる等の簡単な刺激でも起きます。
ただ子供の寝言(夢遊病や夜驚症での寝言)の場合は、ノンレム睡眠中に起こっていることが多く、話しかけたりしてもなかなか起きません。また話しかけたり触ることで逆に寝言がさらに酷くなったり、錯乱覚醒が起こることもあるので、無理に起こすと逆効果の場合もあります。
オカルト的なこととしては、寝言に返事をすると「夢の世界から出られなくなる」、「魂が抜かれてしまう」など言われていますが、そういったことはありません笑
まとめ
- 寝言はストレスや病的な原因以外にも、遺伝性の生理的な寝言がある(25歳を過ぎるとほとんどなくなる)
- 寝言の原因はナルコレプシーの前触れやパーキンソン病やレビー小体型認知症などの前触れとしてレム睡眠行動障害が起こりやすい
- 寝言の治療法は基本放っておいてもOK、子供の寝言は話しかけると寝言が多くなる場合があるので親は見守っておくのがベター
よく旦那や彼氏が寝言で妻や彼女以外の別の女性の名前を言ったりすることがあるとおもいますが、レム睡眠中の夢の多くは色々な記憶をごちゃまぜにしているものが多く、別の女性の名前が出てもそんなに深い意味はありません。
もちろん、本当に別の女性と関係を持っている可能性もなきにしもあらずですが、あまりきにしないほうがいいですね。